shutterstock_132698297

第11回関東ハーモニカ連盟合宿研修会に参加して 沖縄県 伊禮昭洋



第11回関東ハーモニカ連盟合宿研修会に参加して 沖縄県 伊禮昭洋

 

例年ならこの時期は梅雨で、少し湿っぽい天候ですが、今回は真夏のように晴れ渡る碧空の下での開催となり、嵐山の自然豊かな環境の中で楽しい3日間を過ごすことができました。
研修会には3回目の参加になりましたが、一流の講師陣の実演を交えての講義や午後からのコンサートは地方から参加する者にとっては大変貴重な体験となりました。
この研修会の特異さは参加者が同一場所に二日も宿泊することです。寝食を共にし、語り合えることは大変ユニークな企画だと思います。
クロマと複音、コード、バス等の違いはあってもハーモニカ族だけで500名近くの愛好家が集う研修会は例がないと聞いております。
 

通常の講習会やコンサートでは講師と演奏者は参加者との交流はなく「教える」「聴かせる」の一方通行ですし、また参加者同士が触れ合うことも少ないものです。
本来音楽は人と人との結びつきを強化するための手段でした。盆踊りや豊年祭りには笛や太鼓に合わせて歌い踊ることで集団としてのまとまり、一体感が共有できたのです。
現代では全ての分野において専門化することで発展してきました。音楽においても、演奏家(プロ)はその技術を高度に磨くことにより、一般の音楽愛好家に芸術性の高い音楽を提供することができるようになりました。
しかし、聴衆の方はそれを個人的に鑑賞するだけで、人間的な触れ合いはありません。本来音楽が持つ共同体をつなぐものとしての働きが薄まってきているように思うのです。
工業化が進み分業化することで都市化することは仕方ないことなのかもしれません。少し大げさな表現になるかもしれませんが、私は少なくともこのハーモニカ研修会に人的交流(human relationship)の復活を感じました。
 

私が沖縄から参加していることで、「お疲れありませんか」とか「費用もかかって大変でしょう」などとお声をかけて下さいますが、参加者が全国にまたがっていることからも分かるようにこの合宿研修会にはそれだけの魅力があるのです。集中的に、一流講師陣の直接の指導、また模範的な独奏や合奏演奏に触れることができます。今やマイナー楽器となったハーモニカを沖縄のような地方で聴ける機会はほとんどありません。この研修会が唯一の学べる場所であり、情報源でもあるのです。この研修会の良さは単に学べるだけではなく、3日間寝食を共にすることで、同室の方は無論のこと、食卓や研修で同席した方々と共通の趣味ゆえ、親しみを感じ、すぐに打ち解けることです。
 

おかげで多くの友達ができました。ラウンジ交流会では昔懐かしい童謡や学校唱歌、懐メロ等をピアノ伴奏に乗せて、大合奏があり、想いをひとつにし、「みんな友達」という暖かい連帯感に浸ることができました。前述のように音楽は人と人とを結びつける力があることをこれほど実感したことはありません。
 

オープンステージがあるのも楽しみです。目下は観客席に座しているばっかりですが、いずれチャレンジしたいと思っています。上がり症を克服するためにも、今回こそ出場しようと意気込んだものの、恐怖心に勝てず、戦わずして撤退してしまいました。一般の参加者にこのような場を提供していることに、主催者の細かな配慮が感じ取れます。少し残念なのは同じ会場に音楽関連の物品が販売されていることです。
 

そのことで騒がしく、鑑賞の妨げになっていることです。無論関連グッズが全てそろい、しかも特別価格で販売されていることは参加することの大きな魅力でもありますので、ディスプレイをロビーか別のルームに設けるとか、販売時間と演奏時間を明確に区分するなどして解決できないものでしょうか。
 

この様な巨大なイベントを運営するのはご苦労も多いと思いますが、是非続けて頂きたいものです。負担が大きければ3年毎でも良いと思います。せっかく形作られてきたハーモニカ愛好家の連携を途絶えさせるのはもったいないことです。
 

閉会の辞で「2年後」に又お会いしましょうとは言わず、「いずれの日か」とのご挨拶でしたので、一抹の不安がよぎりました。
関係各位のご尽力に感謝しつつ、敢て続行を強く請願し、拙文を閉じます。